ヤフーは2015年8月18日、米国のネットメディア大手BuzzFeed(バズフィード)と共同で、日本向けサービスを今冬に始めると発表した。両社の共同出資で事業運営会社を設立。ヤフーの「Yahoo!ニュース」を通じ、英語版記事の翻訳に加えて日本独自の記事も配信する。バズフィードはネット上のクチコミを誘発して閲覧者を集める「バイラルメディア」と呼ぶウェブ媒体を展開している。ヤフーはSNSなどで話題になりやすい記事の制作能力を持つバズフィードのサービスに、国内最大規模のネット広告販売能力を組み合わせ、広告事業の拡大を図る。

 8月12日付けで共同出資会社BuzzFeed Japan(バズフィードジャパン)を設立した。資本金は非公表で、出資比率は米バズフィードが51%、ヤフーが49%。

 新会社が配信するのは、SNSで多数の利用者が話題にしたり友人に広めたりしたくなる記事。内容はインターネットカルチャーやライフスタイル、独自のランキングや調査などだ。ヤフーはネット上のクチコミを誘発しやすいバズフィードの記事に広告を配信する。

 新会社には最初の1年で、20~30人規模の記者や編集者から成る編集部を設ける。具体的な編集方針はこれから決めるが、日本の文化に合った記事を積極的に企画・配信するという。

 バズフィードはバイラルメディアの草分け的な存在で、国内でも同様な事業者が相次いで登場している。当初はネット上の写真や掲示板の投稿をまとめた記事が主体だったが、現在は調査報道など独自制作の記事の比重を増やす方針を打ち出している。