中国IT大手の奇虎360(Qihoo 360 Technology)のグループ企業で、香港に拠点を置く360モバイル・セキュリティ・リミテッドは2015年8月18日、同社の無料Androidセキュリティアプリ「360セキュリティ」の戦略説明会を開催した。既に国内で300万ユーザーを抱えており、テレビCMの投入などで2015年12月までにユーザー数を500万人に増やすことを目指す(写真1)。
360セキュリティは、ブースト(高速化・バッテリー節約)、クリーンアップ(不要データの削除)、アンチウイルスなどの機能を備えるアプリで、ダウンロード数は中国を中心に約2億件である。
奇虎360は、中国ではセキュリティソフトの無償配布でユーザーを獲得、独自ブラウザーや検索エンジンに表示する広告で収益化している。日本を含む中国以外の国では、米グーグルや米フェイスブックのSDKを通じ、360セキュリティの画面に広告を表示することで収益化する考えだ。
360モバイル・セキュリティ・リミテッドCOOの黄炎氏は「日本のAndroid市場では、ゲームカテゴリでは強い日本企業がいる一方、ツールカテゴリのアプリではまだ明らかな勝者がいない状態」として、日本市場の開拓に自信を示す(写真2)。
「中国のIT企業は海外進出先として、中国のアプリが受け入れられやすい東南アジアを先に目指す傾向がある。我々は、品質に厳しい日本の市場でアプリを鍛えたい」(黄炎氏)。現在はCM展開のほか、NTTドコモやソフトバンクを訪問して採用を働きかけているという。