ドイツ物流大手Deutsche Post DHL Groupが米Googleの眼鏡型ウエアラブル端末「Google Glass」の試験導入を拡大すると、米Wall Street Journalが現地時間2015年8月14日に報じた。Deutsche Post DHL Groupのサプライチェーン管理部門Exelが、米国の2カ所の倉庫で年内にGoogle Glassのテスト使用を開始するという。

 Google Glassを装着した従業員は、表示された指示に従って目的の商品の場所まで最短距離で移動し、商品のバーコードを読み取って迅速に出荷の準備ができる。

 Deutsche Post DHL Groupはリコーとの協力のもと、すでにオランダの倉庫でスマートグラスを試験導入している。Google Glassと米Vuzix製スマートグラスにドイツUbimaxのソフトウエアを組み合わせた。従来の携帯型スキャナーを用いる作業と比べ、商品を見つけて出荷準備をする時間を25%短縮できたという。

 Exelのソリューションデザイン担当者は、倉庫内に詳しくない臨時アルバイトを多数雇うピーク時期に、Google Glassが特に成果を発揮するだろうと期待している。

 Googleは今年1月に、Google Glassを次世代製品研究部門「Google X」から切り離すと宣言し、それまで進めていた早期導入プログラム「Explorer Program」の終了とベータテスター用Google Glass (Explorerエディション)の販売中止を発表(関連記事:Google GlassプロジェクトがGoogle Xから卒業、独立した部門に)。一部ではGoogle Glass失敗論もささやかれていた。

 しかし7月初めに、Google Glassの次世代モデルを年内に発表する可能性があるとの噂が浮上し、7月末には産業向け新バージョンの配布を密かに始めたと伝えられた(関連記事:Google、「Google Glass」の産業向けモデルを配布か