写真●沖データが2015年7月に発売した複合機から稼働データを収集する。写真は発売した機種の一つ「MC883dnwv」
写真●沖データが2015年7月に発売した複合機から稼働データを収集する。写真は発売した機種の一つ「MC883dnwv」
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 プリンター開発・販売の沖データは、複合機から収集できるビッグデータを活用した製品開発に乗り出す。親会社である沖電気工業(OKI)の研究開発部門と共同で、2015年下期にビッグデータ分析のプロジェクトチームを組織する。自社製の複合機の稼働ログをネットワーク経由でクラウド上に収集し、蓄積したデータを基に製品本体や消耗品の設計・開発に生かす。

 稼働ログを収集するのは、沖データが2015年7月に発売した複合機(写真)。売上目標は1年間で1万台。この複合機には稼働ログや利用情報などをクラウド上に収集できる仕組みを搭載した。同社 マーケティング本部 ソリューションセンターの及川真史担当部長は、「両面印刷機能の利用頻度など細かなデータを収集して分析し、ドラムなどの消耗品の寿命設計に生かす」と話す。消耗品の寿命を短くできれば、複合機導入時の初期コストを削減するなどの効果が期待できるという。

 同機種は、故障した場合に専門の保守員を呼ばずに、利用者自身で対処できる機能も実装している。例えば、遠隔にいるオペレーターが故障状況や稼働ログなどをネットワークを介して把握できる。「利用者が電話で、オペレーターに状況を説明する手間を省く」(及川担当部長)。スマートフォンを使って、故障時の対応マニュアルを閲覧することも可能だ。

 同社 マーケティング本部 ソリューションセンターの西山由高センター長は「ビッグデータ分析やスマホなどを使ったサービスで、専門の保守員によるメンテナンスや消耗品の費用を削減したい」と話す。OKIグル―プのプリンター事業の売上高は2014年度で1293億円。2015年度には約8%増となる1400億円を計画する。ITを駆使したサービスや製品開発でプリンター事業の拡大を狙う。