米Appleが6月末に始めた音楽配信サービス「Apple Music」は、そのユーザー数がサービス開始から約1カ月後の現時点で1100万人になったと、複数の海外メディア(米New York Times米CNETなど)が現地時間2015年8月6日までに伝えた。

 Appleインターネットソフトウエア/サービス部門担当上級バイスプレジデントのEddy Cue氏がUSA Todayとのインタビューで明かしたという。それによると1100万人のユーザーのうち200万人がファミリープランを選んだという。New York TimesによるとAppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)は先の決算発表の電話会見で、Apple Musicの登録者数が数百万人になったとだけ述べており、同サービスのユーザー数を巡っては音楽業界で議論の的になっていたという。

 また、Cue氏はアプリ配信サービス「App Store」の7月における取引額が17億ドルとなり、過去最高を更新したことも明らかにした。これにより2008年にApp Storeを立ち上げて以降、Appleがこれまでに開発者に支払った金額は累計330億ドルとなり、昨年末時点の250億ドルを大きく上回ったと同氏は述べている(関連記事:Apple、2014年の「App Store」の売上高は前年比50%増)。

 Appleは同年6月30日に世界100カ国以上でApple Musicを開始した。同サービスの利用料金は1カ月9.99ドル(日本では980円)で、最大6人の家族で利用できるファミリープランは同14.99ドル(日本では1480円)。いずれも最初の3カ月は無料トライアル期間となるため、現在ユーザーはすべて無料でApple Musicを利用している。New York Timesは、最初のユーザーのトライアル期間が終了する今年10月以降にどれだけの人が利用を継続し、有料会員になるかは未知数だと伝えている。

 Appleの競合である英Spotifyのアクティブユーザー数は7500万人で、そのうち有料会員は2000万人超(関連記事:Apple Musicの登場を控え、Spotifyが有料会員2000万人突破を発表)。仮に現在のApple Musicユーザーがすべて有料会員になったとしても、その数はSpotifyの有料会員の半分を若干上回る程度。Appleは、1億人の有料会員獲得を目指しているようだが、その数は現在の音楽配信サービスの全ユーザーの2倍という規模となり、遠大な目標だとCNETの記事は指摘している(関連記事:「Apple Music」がスタート、日本では月額980円、3カ月無料)。

 なお、Appleは、無料トライアル期間が終了するユーザーが出始める今後数カ月の間に、屋外広告やテレビ、ラジオCMを通じてApple Musicの大々的な宣伝キャンペーンを行う計画だとUSA Todayは伝えている。