インテルは2015年8月5日、デスクトップPC向けの新CPU「Core i7-6700K」「Core i5-6600K」を発表した(写真1)。これまで「Skylake」の開発コード名で呼ばれていたCPUで、第6世代Coreプロセッサーの第1弾製品。動作周波数を規定外に高めて性能を引き上げる「オーバークロック」の柔軟性を売りにしており、インテルはPCゲームのプレーヤーや性能重視のユーザー向けと位置付ける。

写真1●Core i7-6700Kのイメージ
写真1●Core i7-6700Kのイメージ
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 インテルはPC向けの主力CPUにおいて、マイクロアーキテクチャー(内部設計)と製造プロセスを1年ごとに交互に刷新する戦略を採っている。これまでのPC向けの主力CPUには、22nmプロセスで製造した第4世代Coreプロセッサー(Haswell、開発コード名)、設計はそのままに製造プロセスを14nmに縮小した第5世代Core(Broadwell、同)があった。今回発表した第6世代CoreのSkylakeは、製造プロセスは14nmのまま、内部の設計を一新した。ただしインテルは、設計変更の詳細について現時点では明らかにしていない。

 第5世代Coreは、2014年9月にまずモバイルノート向けの省電力CPU「Core M」として登場した。デスクトップPC向けの「Core i7-5775C」が発売されたのは2015年6月になってからだ。インテルが今回発表したCore i7-6700Kは、Core i7-5775Cとほぼ同じ位置付けの製品。同社はわずか1カ月半で、デスクトップPC向け高性能CPUの世代を切り替えてしまったことになる。

 Core i7-6700K/i5-6600Kは、CPUの演算コアを4個内蔵する(クアッドコア)。これまでのCore iシリーズと同様に、グラフィックス機能や外部グラフィックスインタフェース、メモリーコントローラーを同じダイ(半導体本体)に統合している。

 Core i7-6700Kは「Hyper-Threading」に対応しており、同時に8スレッド(スレッドはプログラムの実行単位の一種)を実行可能。動作周波数は4GHz、「Turbo Boost」により最大4.2GHzで動作する。内蔵の共用キャッシュは8Mバイトだ。

 メモリーコントローラーは2チャンネルのDDR3L-1660とDDR4-2133に対応する。このクラスのCPUとしては初めてDDR4 SDRAMが利用できるようになった。これまでの高性能CPUと同様に、オーバークロックメモリーを利用する「XMP」もサポートしている。