マイクロアドは2015年8月4日、日本企業が台湾のECサイトで商品を販売する「越境EC」に関する新サービスを発表した。主眼を置いたのは、ECサイト利用者の再訪や繰り返しの買い物を促すリピート率の向上。購入者に対して電子メールを使ってフォローしたり、解約理由を分析したり、CRM(顧客関係管理)サービスを充実させた。新規のECサイト開設や運用を支援する既存サービスと合わせて、日本のEC事業者が台湾のリピーター客を獲得するのを支援する。

 新サービスは同日から提供を始めた。販売する商品やサービスに関する台湾の市況分析、ECサイトの設計と開発、ネット広告などを使った集客、購入後の顧客へのフォローや問い合わせ対応から成る。

 リピート率向上の中核となるのが、購入後の各種支援策だ。具体的には、ECサイト内での閲覧履歴や検索履歴のデータを基に、購入に至った客と買わずにサイトを離れた客の行動をそれぞれ分析。サイト内での広告や商品表示の方法を改善する。客の年齢や性別、購入履歴に応じて購入後に送る電子メールの内容を自動的に変えられるほか、コールセンターでの問い合わせ対応の改善につなげることもできる。

 これらのサービスを提供するため、CRM支援を手がけるベンチャー企業ペンシルと提携した。同社はWebサイトやECサイトの改善コンサルティングを手がける。健康食品の通信販売企業で改善コンサルティングを提供したケースでは、2カ月でECサイト訪問者数が2倍、注文数が3.3倍に増加。特に既存客へのアフターフォローに重点を置いて新規顧客への販促を抑えた結果、リピート客が増えた。結果、売上高は変わらないものの、利益が10倍に高まったという。両社は2016年9月までに100社への導入を目指す。