写真●5台の液浸槽からなる「Shoubu(菖蒲)」
写真●5台の液浸槽からなる「Shoubu(菖蒲)」
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 スーパーコンピュータの電力効率を競うランキング「Green500」の最新版が2015年8月1日に公開され、国内スパコン開発ベンチャーのPEZYグループが開発したスパコンが1~3位を独占した。

 1位は、理化学研究所が2015年6月に導入したばかりの「Shoubu(菖蒲)」(写真)。電力当たりの実行演算性能は7032メガFLOPS/Wだった。2011年に稼働した理研のスパコン「京」と比べ、8倍強の電力効率となる。

 Shoubuは、PEZY Computingが開発したメニーコアプロセッサ「PEZY-SC」と、PEZYグループに属するExaScalerが開発した液浸冷却技術を組み合わせたもの。今回稼働させたのはシステム全体の3分の1ほどだが、全体では理論演算性能2ペタFLOPS、実行演算性能1ペタFLOPS、消費電力140kW前後のシステムになるとみられる。

 2位は高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「Suiren Blue(青睡蓮)」で6842メガFLOPS/W、3位は同じくKEK「Suiren(睡蓮)」の6217メガFLOPS/Wだった。
 
 このほか日本勢では、米エヌビディアのGPUアクセラレータと油浸冷却を組み合わせた東京工業大学の「TSUBAME-KFC」が、4258メガFLOPS/Wで5位に入った。