米Googleがめがね型ウエアラブル端末「Google Glass」の新バージョンの配布を密かに始めたと、複数の米メディア(Wall Street JournalRe/codeGizmodoEngadgetなど)が現地時間2015年7月30日に報じた。ヘルスケア、製造、エネルギーといった産業に向けるという。

 Googleは2015年1月に、Google Glassを次世代製品研究部門「Google X」から切り離すと宣言し、それまで進めていた早期導入プログラム「Explorer Program」の終了とベータテスター用Google Glass (Explorerエディション)の販売中止を発表した(関連記事:Google GlassプロジェクトがGoogle Xから卒業、独立した部門に)。その際同社は、Google Glassの開発を継続し、テスター用ではなく市販向けの新モデルを年内にリリースしたいと述べていたが、一部ではGoogle Glass失敗論もささやかれていた。

 しかし7月に、Googleが新たな無線対応端末の認可を米連邦通信委員会(FCC)から受けていたことが分かり、Google Glassの次世代モデルを年内に発表する可能性があると複数の海外メディアが伝えていた(関連記事:Googleが無線端末のFCC認可を取得、「Google Glass」の次世代版か)。

 公開報じられた新バージョンのGoogle Glassは、業務用に開発したもので、別のめがねに装着できるデザインになっている。従来より処理速度を向上し、バッテリーや無線接続機能を強化した。情報を投射するプリズム部分は従来より細長くなり、水平・垂直方向に調整できる。

 関係筋の情報によれば、ソフトウエア開発者向けにすでに配布しており、企業向けの提供開始は今年の秋になる見込み。消費者向けバージョンのリリースは、2016年半ば以降になりそうだという。