日立ソリューションズは2015年7月29日、米セールスフォースドットコムのクラウドサービス(以下、Salesforce)へのアクセス状況や利用状況をダッシュボードで可視化するシステムを構築/導入するSIサービスの提供を開始した。セキュリティ対策やIT運用業務の効率向上を狙う。可視化の対象サービスは「Sales Cloud」(SFA)、「Service Cloud」(CRM)、「Force.com」(PaaS)で、日立ソリューションズ以外から購入したSalesforceでもサービスを利用できる。

画面●標準で提供するダッシュボードのイメージ
画面●標準で提供するダッシュボードのイメージ
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 今回提供するSIサービスは、米スプランクが開発し日立ソリューションズが販売しているログ分析ソフト「Splunk」をユーザー企業に導入するとともに、Splunkに対して、Salesforceの約30種類のイベントログとログイン履歴を取り込んで可視化する設定を施す。あらかじめSalesforce向けに標準の分析ダッシュボードを用意している(画面)。必要に応じてダッシュボードを追加開発することも可能。

 日立ソリューションズは元々、Salesforceの販売やSplunkの販売、および関連するSIサービスを提供してきた(関連記事:日立ソリューションズがSplunkのマシンデータ解析ソフトを販売、関連SIサービスも用意)。今回のサービスの背景には、サイバー攻撃や内部不正による情報流出対策、増え続けるITシステムの運用作業の効率向上といった課題がある。従来のオンプレミス環境に加えてクラウド環境も含めてログを分析する必要があるとしている。

 価格(税別)は、あらかじめ用意している標準のダッシュボードだけを使い、Splunkの初期構築とユーザー教育を実施する場合の最小構成で300万円から(ログの量とダッシュボードの追加開発によって変動する)。価格にはSalesforceのライセンスやSplunkのライセンスは含まれない。導入期間は、Splunkの初期構築を含めて約1カ月間。

 Splunkは、サーバーやネットワーク機器、OS/アプリケーションなど、各種のデバイスやソフトウエアが出力するログデータを解析するソフトである。これらのログを収集してインデックス化し管理することにより、情報システムに起こっている障害などの問題をほぼリアルタイムに検知して対処方法を探ったり、蓄積データの動向を基に障害の予兆を見いだしたりできる。