写真●Pocket@i FXの外観
写真●Pocket@i FXの外観
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 NECプラットフォームズは2015年7月28日、OSにWindows Embedded Compact7(Windows CEの後継)を搭載した業務用PDA(携帯情報端末)の新製品「Pocket@i FX」(写真)を発表した。8月28日に出荷する。既存モデル(Pocket@i EXおよびPocket@i Plus)の後継に当たり、タッチパネルやキー配置の改善などハードウエアの刷新によって操作性を高めた。

 Pocket@i FXは、小売店舗での接客支援や物流現場での入出庫管理など、各種の業務で利用できるハンディ端末である。スマートフォンほどの大きさの端末にタッチパネルと数字入力用の物理キーを備え、ユーザーが開発したWindowsベースの業務画面が動作する。過酷な現場で使うことを想定し、堅牢性や耐環境性も確保している。

 従来モデルと比べて、ユーザーインタフェースとなるハードウエアの刷新によって操作性を高めた。まず、タッチパネルを抵抗膜式(3.7型)から静電容量式(4.3型)に変更した。これにより、スマートフォン感覚で画面をなぞってスクロールできるようになった。この上でさらに、過酷な現場に合わせて手袋や軍手の着用や雨天時でも操作しやすくしたという。

 さらに、数字入力キーの配置に工夫を凝らした。例えば、テンキーを電卓配列にしたほか、金額入力に配慮した「000」キーを採用した。さらに、登録キーを左右の両側に一つずつ配置し、左右どちらの手で持っても片手で持ちながらキーを入力できるようにした。なお、キートップは大型の凹形状とすることで、押しやすさを追求した。

 PDAはARMコアを採用したCPUを搭載する。PDA上で動作させる業務画面は、専用のSDK(ソフトウエア開発キット)を使って開発する。Visual C++、Visual Basic、Visual C#、Javaの四つの言語で開発できる。PDAの画面解像度は横240×縦400ドットで、横480×縦800ドットの設定でも動作する。

 インタフェースは、microUSBポート、microSDカードスロット。通信インタフェースは、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n、2.4GHz帯と5GHz帯)、Bluetooth(Ver.4.0+EDR/LE)、NFC(ISO14443 TypeA/B、Felica)、赤外線(自販機通信機能のみ)。大きさは、代表モデル(PW-WT91-02 スキャナモデル)の場合に、幅79×高さ178×厚さ22mm(凸部含まず)で重さは約295g(充電池パック装着時)。

表●Pocket@i FXのモデル構成と価格
WANモデルは、カメラ機能を備え、NTTドコモのSIM(スロット形状はmicroSIM)が使える
型番モデル名価格(税別)
PW-WT91-01スキャナなしモデル18万円
PW-WT91-11スキャナなしカメラモデル22万円
PW-WT91-02スキャナモデル20万円
PW-WT91-12スキャナカメラモデル24万円
PW-WT91-21スキャナなしWANモデル27万円
PW-WT91-22スキャナWANモデル29万円