写真●デジタルガーディアンの本富顕弘社長
写真●デジタルガーディアンの本富顕弘社長
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 セキュリティベンダーのデジタルガーディアンは2015年7月30日、記者会見を開き、日本市場での営業戦略について説明した。海外展開する大手製造業を中心に販売攻勢を強め、OEM(相手先ブランドによる生産)供給も視野に入れる。日本での顧客数を現在の約50社から100社に増やし、年率50%の成長を目指すという。

 「日本市場では追い風が吹いている」。2015年7月1日に、米デジタルガーディアン日本法人の新社長に就任したばかりの本富顕弘氏は強調する(写真)。日本年金機構をはじめとした情報漏えい事件が相次いでおり、マイナンバーの利用もひかえているからだ。セキュリティ対策へのニーズが高まっているとみる。

 デジタルガーディアンは、企業内のPCやサーバーにインストールしたエージェントソフトで、管理コンソールで監視、制御できるソリューションを提供する。重要なデータの外部への持ち出しおよび持ち出そうとしたときのシステムの挙動を検知して、アラートを出したり遮断したりできる。社内でやり取りされているデータの動きなどを解析し、機密データを自動で判定・分類。定義しておいたポリシーにのっとって運用することも可能だ。

 日本では新たに、マルウエア特有の振る舞いを検知し情報流出を防ぐ「Advanced Threat Protection」を投入する。例えば、過去に例のないアプリケーションが起動し、大量のデータを分割して定期的に外部送信するといった現象を、マルウエアによるものと特定、阻止できる。事前にリストアップしたシグネチャーを基にしたセキュリティ対策ではないため、「ゼロデイ攻撃」であっても防げるという。

 さらに、POS(販売時点管理)端末などのシステムドライバをスキャンすることでホワイトリストを自動作成できる「アプリケーション・ホワイトリスティング」の提供も始める予定だ。POS端末メーカーへのOEM供給も想定する。

 デジタルガーディアンは製品拡充に加え、新規の販売パートナーを増やすことで、日本企業向けの販売強化を狙う。メインターゲットに据えるのが海外展開している大手製造業だ。「現地法人の従業員は、機密データに対する考え方が日本とは異なる。知的財産の保護などは日本企業にとって重要な経営課題だ」と、本富社長は指摘する。