日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2015年7月30日、同社最小のシンクライアント機器「HP t420 Thin Client」(写真)を販売開始した。従来モデル「t410」の後継に当たり、新たにOSの選択肢を広げた。シンクライアント専用に機能を絞ってセキュリティを高めたLinuxベースの独自OS「HP Smart Zero」に加えて、汎用性が高く機能拡張も容易なWindows OS(組み込み用の「Windows Embedded 7」)を選べるようにした。

写真●HP t420 Thin Clientの外観
写真●HP t420 Thin Clientの外観
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 t420は、小型のシンクライアント(画面情報端末)機器である。同社のほかの小型モデルと同様にVESA規格に準拠し、液晶ディスプレイの背面に設置できる。サイズは幅180×奥行き140×高さ35mm、重さは0.74kgで、同社製シンクライアント機器の中では最も小型となる(従来モデルのt410と比べるとほぼ同等)。ケースはファンレス。出力解像度は1920×1200ドットで、DVI-DとVGAの2画面同時出力が可能。画面情報端末プロトコルは、Windows標準のRDP、米シトリックス・システムズのICA、米ヴイエムウェアのPCoIPを利用できる。

 従来モデル(t410、関連記事)との主な違いは、アーキテクチャを従来の独自ハードウエア(ARMコアとデジタルシグナルプロセッサの組み合わせ)から汎用のx86(AMD)に変更し、OSの選択肢を広げたこと。HP Smart Zero(Linuxベース)搭載したモデルに加えて、Windows Embedded 7搭載モデルを用意した。これにより例えば、シンクライアント接続でなくローカルOS上でもInternet Explorer 11を動作させられる(HP Smart Zero上ではMozilla FireFoxを利用できる)。

 さらに、OSごとに、有線LAN(1000BASE-T)に加えて無線LAN(IEEE 802.11n)およびBluetoothを搭載できる。HP Smart Zeroを搭載したシンクライアントで無線LANを使えるモデルは、今回が初めて。全4モデルの価格(税別)は以下のの通り。

表●HP t420 Thin Clientの価格
WES7はWindows Embedded 7のこと
モデル名価格(税別)
HP t420 Thin Client SmartZeroモデル2万9800円
HP t420 Thin Client SmartZero WiFiモデル3万1800円
HP t420 Thin Client WES7モデル4万2000円
HP t420 Thin Client WES7 WiFiモデル4万4000円