中国Alibaba Group(阿里巴巴)は現地時間2015年7月29日、クラウドコンピューティング事業Aliyun(阿里雲)の拡充に、さらに10億ドルを投じる計画を明らかにした。

 追加投資により、Aliyunの国際的プレゼンスの拡大、提携関係に基づくグローバルなクラウドエコシステムの強化と支援、新しいクラウドおよびビッグデータソリューションの開発促進を図る。

 AlibabaのDaniel Zhang(張勇)最高経営責任者(CEO)は「Alibabaは過去6年以上にわたってAliyunに投資してきた。10億ドルの追加投資は始まりに過ぎず、当社は、企業が情報技術からデータ技術の時代への移行を無事に遂行できるよう支援することを目指す」と述べた。

 Aliyunは現在、パブリック型クラウドコンピューティングサービスを中国の杭州、青島、北京、深セン、香港の5カ所のデータセンターで提供しており、今年3月には米カリフォルニア州のシリコンバレーに中国以外で初めてとなるデータセンターの建設を発表した(関連記事:Alibaba、初の国外データセンターをシリコンバレーに開設へ)。10億ドルの一部は、中東、シンガポール、日本、欧州のクラウドコンピューティングセンターをつなぐグローバルネットワークの構築にあてる。

 クラウドエコシステムの取り組みに関しては、米Intel、シンガポールのSingtel、ドバイのMeraas、米Equinix、香港の通信事業者PCCWなどと提携を結んでいるという。

 またAlibabaは、Aliyunと中国ソフトウエア大手Yonyou Software(用友軟件)が戦略的提携を結んだことも明らかにした。両社は、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、デジタルマーケティング、電子商取引において相互の事業機会拡大に向けて協力する。

 米Wall Street Journalの報道によると、Aliyunは、米Amazon.comのクラウド事業Amazon Web Services(AWS)のライバルになることを目標に掲げている。AliyunのSimon Hu(胡暁明)社長は「AWSは現在の地位に達するまで10年かかった。Aliyunはまだ6年だ。3~4年のうちにAWSに追いつき、あるいは追い抜きたいと考えている」と述べた。

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