写真●執行役副社長の中村豊明CFO(最高財務責任者)
写真●執行役副社長の中村豊明CFO(最高財務責任者)
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 日立製作所は2015年7月29日、2015年4~6月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比7%増の2兆3140億円、営業利益は同30億円増の1153億円と増収増益となった。北米で、自動車関連部品やストレージ製品の売り上げが伸長し、海外売上高比率は52%となった。第1四半期の業績で、海外売上高比率が50%を上回ったのは初めて。

 「情報・通信システム」部門の売上高は前年同期比7%増の4515億円で増収となった。同社執行役副社長の中村豊明CFO(最高財務責任者)は「金融分野では積極的なIT投資が見られ、好調だ」と話した(写真)。公共分野では、マイナンバー対応案件などで、受注増が期待できると見込む。

 同部門の営業利益は前年同期比2億円増の89億円で増益。ネットワーク機器などのハードウエア製品が伸び悩んだが、システムソリューション事業やストレージソリューション事業の売り上げ増が寄与した。

 同社は2016年3月期からIFRS(国際財務報告基準)を任意適用している。連結業績予想は、前年同期比2%増の売上高9兆9500億円、営業利益は同386億円増の6800億円と据え置いた。同社は今年度が最終年度となる中期経営計画で、海外売上高比率50%を目標としている。「新興国などの成長市場をターゲットに、売り上げ拡大を目指す」(中村CFO)。