写真1●マーケティング・オートメーションツール「Probance One」の画面。シンプルな操作でデータを活用した販促を実行できる
写真1●マーケティング・オートメーションツール「Probance One」の画面。シンプルな操作でデータを活用した販促を実行できる
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写真2●(右から)ブレインパッドの佐藤清之輔代表取締役社長、仏プロバンスのEmmanuel Duhesme CEO、ブレインパッドの東一成ソリューション本部マーケティングオートメーションサービス部長
写真2●(右から)ブレインパッドの佐藤清之輔代表取締役社長、仏プロバンスのEmmanuel Duhesme CEO、ブレインパッドの東一成ソリューション本部マーケティングオートメーションサービス部長
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 データ分析専業ITベンダーのブレインパッドと、マーケティング・オートメーション(MA)ツールの仏プロバンス(Probance)は2015年7月29日、共同開発した新しいクラウド型MAツール「Probance One(プロバンス・ワン)」を発表した。同日から提供を開始した。

 Probance Oneはネット通販企業などを対象に販促支援機能を提供する。顧客の個人情報やWebサイトの閲覧・購買履歴など多種多様なビッグデータを一元管理。購入率が高そうな顧客に適切な商品を電子メールで推奨する機能を持つ(写真1)。機械学習エンジンを内部に持ち、過去の実績データを基にさらに推奨の確度を高めることもできる。

 一般に、企業がこうした販促を実施するには、顧客データベースや購買管理システム、推奨エンジンやメール配信ツールなどを別々に整備して連携させる必要がある。Probance Oneはこうした一連の仕組みを統合的にサポート。Webサイト内のコンテンツに追跡用のタグを付けるなど比較的簡単な準備をするだけで、データを駆使した販促を実施できる。

 Probance Oneの月額料金は5万IDで8万3000円(税別)から。月額料金はID数とメール配信数によって変動する。初期費用はない。ブレインパッドは2018年6月期末までに200社以上への導入と、10億円以上の累計売上高を目標とする。

 ブレインパッドの佐藤清之輔代表取締役社長(写真2右)は、「MAツールは大掛かりになりがち。年額100万円以内の費用でスモールスタートできるようにすることで、日本企業の潜在的なニーズを掘り起こしたい」と述べた。

 プロバンスのEmmanuel Duhesme CEO(最高経営責任者、写真2中央)は、「当社にとって日本は売上高の2割近くを占める重要市場で成長余地も大きい。既存製品『Probance Hyper Marketing』は多機能だが使いこなすのは大変。機能をシンプルにした『Probance One』の投入によって、日本でのシェアをさらに高めたい」と説明した。

 両社は2013年から業務提携しており、ブレインパッドはプロバンスのMAツールを日本企業に販売している。両社はProbance One投入に合わせて資本・業務提携を強化。ブレインパッドはプロバンスに25万ユーロを出資する。プロバンスは2015年8月中をメドに100%出資の日本法人プロバンスジャパンを設立。フランスからMAツール導入支援スキルを持つ技術者を派遣するなどして、日本での事業拡大を図る。