クラウド型出張・経費管理ツールのコンカーは2015年7月27日、出張者のリスク管理を支援する新製品「Risk Messaging」を発表した。8月3日から日本市場での提供を開始する。
従業員1000人規模以上の大手・中堅企業向けに、初年度20社、3年間で100社の採用を目指す。料金は非公表だが、出張1回当たりの従量課金とする。
Risk Messagingは、海外出張者の旅程を一元管理し、当地のリスク状況に応じて人事・総務部門から連絡したり、出張者に報告を求めたりする機能を提供する(写真1)。
出張者の所在は、コンカー自身が運営する旅行代理店サービス「Concur Travel」や、契約旅行代理店の予約システムとデータ連携して把握する。出張者が契約外の航空会社やホテル予約サービスなどを使って予約した場合も、予約確認メールをコンカーに転送すれば、自動的に内容を解析して旅程データに反映する。人事・総務部門は出張者全員の旅程を地図画面上で一覧できる。
これとは別に、コンカーは外部の専門会社から「リスク情報」を収集している。海外出張者の旅程とリスク情報をクラウド上で自動的にマッチング。該当する地域の出張者本人に電話や電子メール・メッセンジャーで警告を出したり、報告を求めたりできる(写真2)。
リスク情報は「国全体でテロや感染症のリスクが高まっている」といった広域的なものから、「議会周辺でデモが起きている」「○線で列車火災が発生した」「台風が上陸した」といった局地的なものまでを網羅。突発的な局地トラブルに従業員が巻き込まれていないかどうかを迅速に確認できる。
日本におけるRisk Messagingの最初のユーザーとして、アシックスが導入することも併せて発表した。2015年末までに、コンカーの出張・経費管理ツールと共に稼働させる計画だ。
アシックスの鷲野洋一グローバル人事総務統括部総務部部長(写真3)は、「当社の海外売上高は8割に達している。日本の従業員の海外出張は年間延べ1500回以上あり、国際スポーツイベントなどに伴って大人数が一斉に出張することも多い。思わぬテロなどが起きたときの現状把握に手間取る懸念があり、Risk Messagingの機能に期待している」と述べた。