IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は2015年7月24日、2015年第2四半期(4月~6月)のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。それによると、ウイルス届出件数は前四半期比約17.6%減の772件にとどまったものの、ウイルス検出数は同約70.2%増の1万3683個、不正プログラム検出数も同約12.9%増の8万4483個に達した。

 一方、不正アクセス届出件数は30件で、被害があった届出は21件。ウイルス・不正アクセス関連の相談件数は同約12%増の3708件で、最も多かった相談内容は「ワンクリック請求」で同22.5%増の898件。そのうちスマートフォンを対象にした相談は348件で、前四半期と比べ約65.7%の大幅増。過去最多となった。

 また、IPAでは今四半期の特徴として、データを暗号化して復旧するために「身代金」を要求する「ランサムウエア」に関する相談が急増したことを指摘。前四半期比の5倍強に当たる31件にまで拡大し、実際にランサムウエアに感染していたものも全体の約9割に当たる27件だったという。

 IPAによれば、今四半期に検出された不正プログラムのうち、最も多かったのが別のウイルスを感染させようとする不正プログラムの総称である「Downloader(ダウンローダー)」だったという。検出数は同約37.5%増の1万8662個で、2014年第3四半期(7月~9月)以降、今四半期に至るまで増加傾向が続いているという。

 一方、今四半期に届出のあった不正アクセス30件のうち、原因が判明しているものは「古いバージョン使用・パッチ未導入」が8件、「ID・パスワード管理不備」が6件、「設定不備」が2件などとなった。前四半期と比較して「ID・パスワード管理不備」が全体の約60.7%から約28.6%に減少し、一方で「古いバージョン使用・パッチ未導入」が全体の約10.7%から約38.1%に増加した。

 また、情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況では、全件数3708件のうち、相談員による対応件数は1745件だった。

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