2015年7月21日、東京・品川で「Smart eXperience Lab(SXLab)」のキックオフミーティング「Smart eXperience Lab Forum 2015 vol.1」が開催された。SXLabとは、ソニーと日経BPが共同運営するバーチャルラボのこと。両者は3年前からソニー製デバイスを用いたサードパーティ開発者の支援プロジェクトとして、「Multi-Screen UX Competition 2013」「Multi-Device UX Competition 2014」を展開してきた。SXLabはその発展形となる。

 過去2回のプロジェクトは「Competition」の言葉からも分かるように、コンテスト形式でアプリやサービスなどの優秀作品を選定。その特典として「International CES」(米ラスベガス)、「World Mobile Congress」(スペイン・バルセロナ)といった国際的な展示会において、ソニーブースの一角でアプリやサービスを出展する権利が得られた。

 3年目となる2015年は、ソニーとサードパーティとのコラボレーションをさらに深め、より有機的な方向へとシフトする。初回からプロジェクトに携わるソニー デジタルマーケティング戦略部門マーケティング推進部マーケティングインキュベーション課プランニングマネジャーの加藤圭一氏(写真1)は「サードパーティとソニーの持つ技術の掛け合わせで、新しいUXやビジネスを創出することが目的。この狙いは当初から変わらない」としながらも、「イベントでの展示がゴールだったPR主体の初期フェーズから、実ビジネスを推進する次のフェーズに入った。今年は双方のビジネスにとってメリットがある、ビジネスを進展させる軸を具体的に作っていきたい。ビジネスの芽が生まれ、一緒に営業行為まで行けたらいい」と抱負を述べた。

写真1●ソニーの加藤氏。当初からプロジェクトを支えてきた
写真1●ソニーの加藤氏。当初からプロジェクトを支えてきた
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 冒頭に挨拶したITproプロデューサーの菊池隆裕氏は、「SXLabが交流の場となって両者をつなぎ合わせ、そして両者の成果を発信していく」と語った。実際に今回のイベントでも参加者によるネットワーキングの機会を設けるなど、“顔の見える触れ合い”を重視する姿勢を強めている。

 今回のイベントの第1部は、ゲストスピーカーによる講演が行なわれた。登壇したのは、シスコ コンサルティングサービスシニアパートナー 八子知礼氏、ソニー デバイスソリューション事業本部 企画管理部門 SIG準備室統括部長 武川洋氏、ソニー 新規事業創出部 事業準備室 統括課長 萩原丈博氏の3人である。

分かりやすいUIで作業効率を劇的に改善

 シスコのコンサルティング部門リーダーを務める八子氏は、前職のデロイトトーマツ時代を含めてモバイル/クラウドの最前線を追ってきたITのスペシャリスト。今回の講演では、実際の現場でIoTがどのように活用され、UX/UIがどのように発展しているのかを具体的な事例を交えながら紹介した(写真2)。

写真2●シスコの八子氏
写真2●シスコの八子氏
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