写真1●基調講演に立ったNTTドコモの尾上誠蔵氏
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写真2●ドコモが計画する「5Gアイデアソン・ハッカソン」の概要
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写真3●会場となったNTTドコモR&Dセンタには共同推進メーカーの実験機器が並んだ
写真3●会場となったNTTドコモR&Dセンタには共同推進メーカーの実験機器が並んだ
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 「5G(第5世代移動体通信)は、ビジネスモデルが重要。3Gや4Gでは技術の比重の方が高かったが、5Gでは技術はビジネスモデルを支える存在になる」

 2015年7月22日に開幕した「5G Tokyo Bay Summit」でこう語るのは、NTTドコモ取締役常務執行役員の尾上誠蔵氏だ(写真1)。5Gは2020年に商用化が見込まれている次世代の通信規格で、標準化作業や実証実験はまさにこれから本格化するタイミングである。商用化は早くとも5年後になる5Gだが、サービスが充実しないことには5Gの活用が広がらない。そこで、ドコモとしては規格や技術だけでなくビジネスモデルやサービスを重視する姿勢を示した形だ。

 その姿勢の象徴とも言えるのが、尾上氏が今回明らかにした、外部のサービス開発者を対象としたシリーズイベントである(写真2)。「5Gアイデアソン・ハッカソン」として紹介されたイベントでは、高速、大容量、低遅延といった5Gの特徴を生かしたサービスのアイデアを募り、アイデア創出期間を含めて約1年間をかけてプロトタイプを作り上げる。2015年8月22日のキックオフイベントを皮切りに、2016年第3四半期に予定する「Demo Day」(成果披露会)まで1年にわたる開発競争イベントを行う。ドコモの狙いは、5Gの能力そのものと5Gを利用したサービスをサービス開発者やエンドユーザーに訴求することと、5Gに意欲的なサービス開発者との関係づくりがある。

 このほか5G Tokyo Bay Summitでは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の井上淳也氏が特別講演として登壇、「会場の感動をソーシャルメディアを通じて世界中に送ることができる無線環境を整備する」など、ソーシャルメディアの重要性を語った。

 5G Tokyo Bay Summitは、「海外では高まっている5Gへの関心を、日本でも高めるため」(NTTドコモ5G推進室長の中村武宏氏)に開催されたイベント。会場となったNTTドコモR&Dセンタには、ドコモに加え、5Gの実証実験を共同推進する13社のメーカーがそれぞれの実験設備を出展した(写真3)。