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 米Microsoftは現地時間2015年7月21日、2015会計年度第4四半期(2015年4〜6月)の決算を発表した。フィンランドNokiaの携帯端末事業の買収やリストラ計画に関する経費が収益を圧迫し、赤字に転落した。

 第4四半期の総売上高は221億8000万ドルで、前年同期と比べ5%減少した。会計原則(GAAP)ベースの純損失は31億9500万ドル、希薄化後の1株当たり純損失は0.40ドル、営業損失は20億5300万ドルとなった。

 今回の業績結果にはNokia携帯端末事業買収に関する減損費用75億ドルとリストラ関連費用7億8000万ドルなどが含まれており、これら特殊要因が1株当たり利益を1.02ドル押し下げた。特殊要因を除いた非GAAPベースの場合、1株当たり損益は0.62ドルの黒字となる。

 同社は今月上旬、携帯電話部門を主な対象とするリストラ計画を明らかにするとともに、第4四半期決算でリストラ関連費用の計上と旧Nokia携帯端末事業に関する減損処理の実施を予告していた(関連記事:Microsoft、携帯電話部門を中心に最大7800人を削減へ)。

 またMicrosoftは、第4四半期の業績がドル高の影響を強く受けたことも強調した。為替の変動を考慮しない場合、売上高は前年同期比2%減にとどまる。

 米メディアの報道(New York TimesWall Street Journal)によると、今回の決算は同社として最大の最終赤字となる。しかし売上高と特殊要因を除いた1株当たり利益はアナリストの予測平均(売上高220億3000万ドル、1株当たり利益0.56ドル)を上回った。

 第4四半期における部門別の業績を見ると、消費者向け事業であるデバイスおよびコンシューマー部門は売上高が87億ドルで前年同期比13%減少した。

 WindowsやOfficeなどのライセンス収入は32億3300万ドルで同34%減少。Windows OEM収入が同22%減少し、消費者向けOffice製品は42%減収した。

 ハードウエアの売上高は19億3300万ドルで同44%増加。「Surface」の売り上げは同117%増の8億8800万ドル、「Xbox」の販売台数は同27%増の140万台だった。

 携帯端末の売上高は12億3400万ドルで前年同期比38%減少した。「Lumia」スマートフォンの販売台数は840万台と同45%増加したが、低価格帯への移行が進んだことにより売り上げは減少した。

 「Bing」「Xbox LIVE」などオンラインサービスとその他は好調で、売上高は前年同期比31%増の23億ドル。検索広告収入は同21%成長し、「Office 365 Consumer」の登録ユーザー総数は1520万人にのぼった。

 企業向け事業であるコマーシャル部門の売上高は135億2700万ドルで前年同期から微増。ライセンス収入は同7%減の104億5100万ドルとなり、Windowsのボリュームライセンスは同8%縮小、法人向けOffice製品およびサービスは同4%減少した。一方、サーバー製品およびサービス収入は同4%増加。クラウド関連は「Office 365 Commercial」「Azure」「Dynamics CRM Online」がけん引し、売上高は同88%急伸した。

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