米Microsoftが、クラウドセキュリティサービスを手がけるイスラエルの新興企業、Adallomを買収する意向だと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal英Reuters米CNET)が現地時間2015年7月20日に報じた。見込まれている買収金額は3億2000万ドル。もしこの買収案件が実現すれば、Microsoftによるイスラエル企業の買収は今年4件目になる。

 Adallomの創業2012年12月。同社は2013年にイスラエルのテルアビブと米カリフォルニア州パロアルトに事務所を開設した。現在の従業員数は80~90人で、Office 365や米GoogleのGoogle Apps、米Salesforce.comなどのクラウドサービスを利用する法人顧客向けにセキュリティサービスを提供している。顧客にはドイツSAP、米LinkedIn、米NetflixといったIT企業がある。

 Microsoftによる買収後、Adallomは独立企業として運営を続けるのか、あるいはMicrosoftのクラウドサービスに技術を提供する役割のみを担うのか、今のところわからない。ただいずれにせよこの買収は、Satya Nadella最高経営責任者(CEO)が就任後一貫して強調してきた「クラウド・ファースト」戦略に沿っているとCNETは伝えている。

 報道によると、Microsoftは今年、セキュリティソフト開発のイスラエルAoratoを2億ドルで買収したほか、テキスト解析のイスラエルEquivio、デジタルペンメーカーのイスラエルN-trigも買収している(関連記事)。