モバイル通信事業者の国際業界団体GSMAが2015年7月13日に公表した中国のモバイル市場に関する調査によると、同年第1四半期における接続数ベースのスマートフォン比率は62%に達し、欧州の平均水準である55%を上回った。この数値は年内に7割近くに達する見通しという。

 2015年第1四半期における中国のユニークモバイル加入者数は6億7200万人で、同国人口の48%を占めた。同年第1四半期における中国のモバイル接続数13億件のうち、スマートフォンからの接続数は8億500万件で、その比率は62%だった。これが年内には68%(9億1300万件)に達するとGSMAの調査部門GSMA Intelligenceは予測している。

 ただ、同国では過去数四半期にわたりスマートフォン接続数の伸びが鈍化している。このことは、今のスマートフォン販売の大部分が新規顧客による購入ではなく、既存顧客の買い替えによってもたらされていることを示しているという。

 またこの調査によると、中国のスマートフォンの平均価格は1100人民元(175ドル)だった。このうち国内メーカー端末の平均価格は935元(150ドル)で、米Appleや韓国Samsung Electronicsなどの国際ブランド端末の平均価格1765元(285ドル)の半額強という水準。ただし最近はXiaomi(小米科技)やHuawei Technologies(華為技術)などの国内大手もミドルレンジやハイエンドの端末を増やしている。

 このほか、中国のメーカーは競合の国際ブランドメーカーに比べ4G対応スマートフォンの比率が高いという。例えば2015年第1四半期に中国メーカーが発売した新端末の70%が4G対応だった。これに対し4G対応端末の世界平均比率は40%。GSMA Intelligenceによると、2014年末時点で1億件(8%)だった中国の4G接続は、2020年までに約3分の2に当たる10億件に達する見通し。2016年以降、中国メーカーが新たな4G非対応端末を市場投入することはないだろうとGSMA Intelligenceは予測している。

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