図:「つながる化」による生産改革
図:「つながる化」による生産改革
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 コマツはIoT(Internet of Things、もののインターネット)で生産から販売までの全工程を連携させることによる生産改革に着手する(ニュースリリース)。生産や稼働に関する情報をリアルタイムに連携させることを「つながる化」とし、これによって工場だけでなくユーザーの生産性向上も図る(図)。

 つながる化では、工作機械やロボットといった生産設備と生産ラインの稼働情報をIoTにより「見える化」し、共有データベースに集約する。その情報に基づいて生産工程の改善案を立案し、面積生産性の向上と省人化、生産リードタイムの短縮を図る。既に世界の主要生産拠点では、溶接ロボットをインターネットでつなげ、生産状況の把握を進めている。今後は、工作機械にもコントローラーを取り付け、設備情報を見える化する。これにより設備のダウンタイム要因を把握し、設備稼働率を改善。大幅な生産性向上を目指す。

 生産工程だけではなく、製品の稼働状況も工場に直結。ユーザーの課題解決に工場が積極的に関与する生産体制を構築する。具体的には、装着台数が38万台以上の機械稼働管理システム「KOMTRAX」や鉱山機械管理システム「KOMTRAX Plus」を通じて、車両の稼働状況やコンポーネントの損耗状況を集約する。これらの情報を工場でモニタリング・分析することで、部品寿命やオーバーホール実施時期の予測精度を高める。

 同社は2011年度から、国内工場での電力使用量の半減を目指した生産改革に取り組んでいる。この活動につながる化を加えることで、生産性の一層の向上を図る。