厚生労働省の外局である中央労働委員会は2015年7月10日、日本IBMが社員6人に突然の解雇予告通知を出したことについて、労働組合の団体交渉に応じなかったのは不当労働行為に当たるとする命令書を出した。東京都労働委員会が2013年8月に出した同様の命令書について、日本IBMが再審査を申し立てていた。中労委はこれを棄却し、再び不当労働行為を認定した。

 命令書によれば、日本IBMは2012年9月、社員6人に対しおおむね1週間後を解雇日とする普通解雇予告を通知した。解雇予告後の出社も禁止した。併せて、日本IBMが設定した数日後の期限までに自主退職を申し出れば、解雇を撤回して退職加算金の付加などを行う旨も通知した。

 労働組合側は、解雇予告通知問題について団体交渉を申し入れたが、日本IBMは団交時間が限られることなどを理由として、実質的な協議を拒否した。中労委は、自主退職期限が迫っていたことなどから、日本IBMは団交に応じる義務があったと判断し、団交申し入れに応じなかったのは不当労働行為に当たるとした。

中央労働委員会の発表資料(PDF)
東京都労働委員会の発表資料(2013年8月)