写真●シグマクシス マネージングディレクター/グローバルセキュリティエキスパート 取締役の柴沼俊一氏(写真:井上裕康)
写真●シグマクシス マネージングディレクター/グローバルセキュリティエキスパート 取締役の柴沼俊一氏(写真:井上裕康)
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 「デジタル世界では、1年で10倍の成長が前提になる。年10%は成長のうちに入らない」。

 シグマクシス マネージングディレクター/グローバルセキュリティエキスパート 取締役の柴沼俊一氏は2015年7月10日、東京・千代田のホテルニューオータニで開催された「IT Japan 2015」(日経BP社主催)において、「10%から10timesへ」と題する講演を行った(写真)。

 IoTによる新産業革命を通じ、あらゆる業種の企業が「アナログ世界」から「デジタル世界」へと移行し、経営のスピードが大きく転換しつつある。

 従来のアナログ世界の経営では、企業は年10%の成長を目標に、定型的な社内業務をいかに効率的に回すかを考え、階層型の組織を作っていた。「このため『人材はコストなので、少ない方がいい』という考えや、社内資源を効率的に活用する『インターナルマネジメント』の考え方が重視された」(柴沼氏)。

 デジタル世界の経営では、10倍の成長を実現するため、効率ではなくイノベーションが求められ、社外資源の活用が必須になる。必要な人材を必要なタイミングで集めなければならず、組織は階層型でなくフラット型になる。「デジタル世界では、一人ひとりのメンバーは人材(コスト)ではなく、それぞれ異なる能力を備えた人財(アセット)になる」(柴沼氏)。デジタル世界の経営では、組織の内外にある資源を活用する「エクスターナルマネジメント」が重要になるという。