写真●EMCジャパン 代表取締役社長の大塚俊彦氏(写真:井上裕康)
写真●EMCジャパン 代表取締役社長の大塚俊彦氏(写真:井上裕康)
[画像のクリックで拡大表示]

 「攻めのITを実現するには、新しいIT部門への変革が急務だ。アプリケーション、インフラストラクチャー、オペレーションの三位一体改革が求められる」。

 EMCジャパン 代表取締役社長の大塚俊彦氏は2015年7月10日、東京・千代田のホテルニューオータニで開催中の「IT Japan 2015」(日経BP社主催)で、デジタル革命が加速する中でのIT部門の役割について語った(写真)。

 米ゼネラル・エレクトリックの「インダストリアル・インターネット」、ドイツの「インダストリー4.0」に代表されるIoT時代のデジタル革命を通じ、IT部門に求められる役割が大きく変わる。具体的には「アプリケーション、インフラストラクチャー、オペレーションの三つの領域を、同時に改革する必要がある」(大塚氏)。

 最初の一つ、アプリケーション改革のキーワードは「スピード重視」だ。

 IT部門は、優れたユーザー体験を実現するアプリケーションを、以前よりはるかに短いサイクルで開発、投入できる能力が求められる。「これまでのIT部門は、新しいアプリケーションを市場または社内に『1年に何回投入できるか』が問われた。IoTの時代には、『1日に何回投入できるか』が問われる」(大塚氏)。

 インフラストラクチャーの改革は、オンプレミスとクラウドを組み合わせるハイブリッドクラウドの採用が前提となる。インフラとしての俊敏性と堅牢性を高めつつ、自動化で運用コストを引き下げる。これにより、「攻めのIT」への投資を増やすことができる。

 オペレーションの改革は、IT部門の役割を再定義し、組織文化を改革するものだ。「攻めのIT」に向け、データサイエンティスト、クラウドアーキテクトなどのスキルを定義し、人材を育成する。

 EMCジャパンは、この三位一体改革を支援するため、五つの重点領域に向けた製品やサービスを提供するという。大塚氏は重点領域として、あらゆるデータを収集・保存し、将来の分析に備える「ビジネスデータレイク」、新しいアプリケーションを俊敏に投入できるようにする「次世代アプリケーションプラットフォーム」、ハイブリッドクラウドを素早く展開する「エンタープライズハイブリッドクラウド」、IoT時代のセキュリティを提供する「セキュリティアナリティクス」、フラッシュアレイやSDS(ソフトウエア・デファインド・ストレージ)など次世代データセンターを支えるハードウエア・ソフトウエア製品「次世代インフラストラクチャ」を挙げた。