勘定系システムの開発中止の責任を巡り、スルガ銀行が日本IBMに約116億円の支払いを求めた裁判で、最高裁判所は2015年7月8日、両社の上告を棄却する決定を下した。これにより、日本IBMに約42億円の賠償を命じた東京高等裁判所の判決が確定した(ITpro関連記事:スルガ銀-IBM裁判で両社が上告)。

 スルガ銀行は2008年2月、勘定系システムの刷新プロジェクトが頓挫した責任は日本IBMにあるとして、約116億円の損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴した。

 東京地裁は2012年3月、プロジェクトの企画・提案段階で、日本IBMが提案した勘定系パッケージ「Corebank」の同社による機能検証が不足していたことが、システム開発においてITベンダーが負う義務「プロジェクトマネジメント(PM)義務」違反に当たるとして、日本IBMに約74億円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 一方で東京高裁は2013年9月、日本IBMのPM義務違反は、パッケージを選定した提案・企画段階ではなく、その後の要件定義を経て両社が最終合意書を交わした段階で起きたとして、賠償額を約42億円に減額する判決を下した。今回の最高裁の決定により、この高裁判決が確定したことになる。