米Appleは年内に発売する予定の次期「iPhone」について、初回生産の準備を進めていると、複数の海外メディアが現地時間2015年7月8日までに米Wall Street Journalの記事を引用して伝えた。

 それによると、Appleはサプライヤーに対し、新モデルの2機種を年末までに合計8500万~9000万台生産するよう依頼している。同社が昨年、現行モデル「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」の発注をした際の初回生産台数は合計7000万~8000万台だった。この数はそれまでで最も多かったが、今年の発注量はそれをさらに上回るという(関連記事:Force Touch搭載の次期「iPhone」、まもなく量産本格化)。

 またWall Street Journalは事情に詳しい関係者の話として、Apple製品の組み立て業務を手がける台湾Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)が、中国鄭州のiPhone生産工場で工員の募集を始めていると伝えている。Hon Haiは8月に新モデルの量産を始める予定だという。

 一方でAppleは、同じく台湾の電子機器製造受託業者であるWistron(緯創資通)にもiPhoneの組み立て業務を依頼することを検討しているという。今後WistronがAppleの試験に合格すれば、新型iPhoneを組み立てる業者は初めて3社になる。

 新型iPhoneの組み立て業務はこれまで、Hon Haiと台湾Pegatron(和碩聯合科技)が行っていた。Pegatronは一昨年、iPhone 5cを生産していたが、昨年はiPhone 6の生産に移行しており、旧モデルとなったiPhone 5cはWistronが生産していた。Wall Street JournalによるとAppleは製品種の拡大に伴い、生産パートナーの分散化を図っている。製品を迅速かつ大量に市場に供給するため、大手1社への過度の依存を避けたいと考えているという。