写真1●「顧客一人ひとりとつながることが必要」と説くホークスレイ氏
写真1●「顧客一人ひとりとつながることが必要」と説くホークスレイ氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●トヨタメディアサービスは日本市場でのMarketing Cloudの活用を検討する
写真2●トヨタメディアサービスは日本市場でのMarketing Cloudの活用を検討する
[画像のクリックで拡大表示]

 セールスフォース・ドットコムは2015年7月3日、マーケティング支援のクラウドサービス「Marketing Cloud」の出荷開始1年を記念したイベントを開催した。米国本社で同事業を担当するシニアバイスプレジデントのリー・ホークスレイ氏は、「あらゆる機器やチャネルで顧客との接点を築ける」と意義を述べた。同イベントでは、トヨタ自動車グループがMarketing Cloudを導入したことも発表。デジタルマーケティング分野での導入拡大を強調した(写真1)。

 Marketing Cloudは、見込み客の発掘から広告の配信、販促、来店促進やECサイトへの誘導、購入後のサポート、さらなる購買促進といった一連のマーケティング活動を支援するためのクラウドサービス。企業はパソコンやスマートフォンといった異種機器、電子メールやSNS、Webサイト、ネット広告といった異種メディアを組み合わせて、消費者にメッセージを送ったり購買を促したりできる。

顧客との「旅」を演出

 「企業はあらゆる情報機器やメディアを横断して、効果的なカスタマージャーニーを実現できる」。ホークスレイ氏は、Marketing Cloudの価値をこんな言葉で表現する。カスタマージャーニーとは耳慣れない言葉だが、企業が顧客との関係を徐々に構築・強化していくことを旅になぞらえた表現だ。

 同じネット広告でも、ネット検索をしてWebサイトを訪れた客は自社商品に関心が高いと判断し、購入につながりそうな割引情報を表示する。競合商品のサイトを見比べた後の顧客は具体的な購入検討段階と推測し、製品の特徴を打ち出した広告を表示。顧客の関心や購買の段階に応じて、配信する情報の種類や機器を使い分けることができる。

 イベントでは導入企業として、トヨタメディアサービスの事例を発表した。同社はトヨタ自動車グループでネットやデジタル端末を使ったマーケティング活動を担う。タイの現地法人で新車のマーケティングにMarketing Cloudを活用し、3週間で48組の成約を得た。「これまではマスマーケティングが主体だったが、大きな成果を上げることができた」(高橋和巳WEBマーケティング事業部部長代理)。今後は日本での活用も検討する(写真2)。