図●文書公開/収集のイメージ
図●文書公開/収集のイメージ
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 キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2015年7月3日、企業の基幹系システムと複合機を直接連携させられるソフトウエア「Enterprise Imaging Platform 文書公開・収集オプション」を発売した。複合機を使って申請書などの定型文書を印刷/収集することが可能で、紙文書をやり取りする手間を減らせる。同社のプラットフォーム製品「Enterprise Imaging Platform(EIP)」のオプションとしての位置付けである。価格(税別)は60万円。

 EIPは、文書にまつわる作業を自動化するためのシステムを、SOA(サービス指向アーキテクチャー)に基づいて開発できるプラットフォーム製品。企業内のサーバーで動作させるオンプレミス型の製品で、WebアプリケーションサーバーやBPELエンジンなどの機能を備える。EIPを介して複合機などの機器と各種基幹系システムを接続するシステムを構築することで、業務プロセスを自動化できる。

 今回発売するオプションは、複合機を用いて文書の公開/収集を行う機能をパッケージ化したもの()。従業員が申請書や報告書などを記入/提出するといったシーンを想定する。企業がこうした定型文書を登録しておけば、従業員は複合機の操作パネルを用いてそれらを呼び出し、必要なものを印刷できる。記入や捺印を終えたら、再び複合機でスキャン。これで、担当部署のフォルダーなどにデータが送られる。担当部署の情報は文書の隅にQRコードとして埋め込めるため、複合機がそれを読み取ることで自動送信できる。

 主なターゲットは、工場や小売店など一人に1台ずつパソコンが整備されていない職場。文書の提出が紙ベースで行われることが多く、配布や収集に手間がかかる。複合機を活用することで、こうした手間を減らせる。キヤノン製の最近の複合機ならそのまま利用可能で、他社製の複合機でも追加開発をすれば連携できるという。

 今回の製品を利用するには、EIP本体の購入も必要。本体と合わせて、2016年12月末までに3億円の売り上げを目指す。EIP本体の価格(税別)は240万円から。