米eBay傘下の米PayPalは現地時間2015年7月1日、国際送金サービスの米Xoomを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収額はXoom株式1株あたり25ドルで、総額は約8億9000万ドルにのぼる。

 1株25ドルという金額は、Xoomの直近3カ月の平均株価に32%プレミアムを上乗せした金額。PayPalとXoom、およびeBayの取締役はすでに同買収計画を承認しているという。

 Xoomは、スマートフォン、タブレット端末、パソコンを使って米国内から国外への送金や決済を実行するためのサービスを提供している。メキシコ、インド、フィリピン、中国、ブラジルなど37カ国に拠点を置き、アクティブユーザーは130万人以上。2015年3月末までの1年間に処理した金額は約70億ドルという。

 PayPalはXoomを獲得することで、自社の6800万人の米国アクティブユーザーにより幅広いサービスを提供し、ユーザーエンゲージメントの向上と近隣市場への事業拡大を図りたいとしている。

 買収後、PayPalはXoomを独立したサービスとして運営する。買収手続きは2015年第4四半期に完了する見込みだが、Xoom株主の承認などを得る必要がある。

 なお、eBayはオークション事業とPayPalを分割する計画を進めており、eBayとPayPalはそれぞれ独立した公開企業として運営される。先月、取締役会が正式に分割計画を承認しており、7月17日に手続きを完了する予定(関連記事:eBay、PayPalの分離独立手続きを7月17日に完了へ)。

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