米Hewlett-Packard(HP)は現地時間2015年7月1日、分社化によって誕生する事業体「Hewlett Packard Enterprise」の登録届出書を米連邦証券取引委員会(SEC)に提出したことを明らかにし、「分社化計画は予定通り進んでいる」と強調した。この前日には、企業向け事業の幹部が退社する意向であることを発表している。

 HPは、2015会計年度末(2015年10月末)までに会社を分割する計画を昨年10月に発表した。法人向け事業部門を引き継ぐHewlett Packard Enterpriseと、パソコンおよびプリンター事業部門を引き継ぐ「HP Inc.」がそれぞれ独立した公開企業として運営されることになる(関連記事)。

 SECへの提出書類によると、Hewlett Packard Enterpriseを構成する現Enterprise Group、Enterprise Services、Software、Financial Services部門を合わせた2014会計年度(2013年11月~2014年10月)の売上高は約550億ドルという。

 分社化手続き完了後、現HPの会長兼社長で最高経営責任者(CEO)のMeg Whitman氏がHewlett Packard Enterpriseの社長兼CEOとなり、現HPのPrinting and Personal Systems Group部門担当執行バイスプレジデントのDion Weisler氏がHP Inc.の社長兼CEOに就任する。

 同社は6月30日に、サーバーや技術サービス、ストレージ、ネットワーキングなどを手がける現Enterprise GroupのBill Veghte執行バイスプレジデントが今夏に退社することを発表した(HPのプレスリリース)。理由は「新たな機会を追求するため」としている。Veghte氏は分社化計画の中心人物の1人で、かつて米MicrosoftでWindows部門を指揮した経歴を持つ。2010年にHPに入社し、2013年8月にEnterprise Group責任者に任命された(関連記事)。Enterprise Groupの新たな執行バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーにはAntonio Neri氏が就任する。

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