日本標準時(JST)を決定・維持している情報通信研究機構(NICT)は2015年7月1日午前、国際協定に基づいて時刻を調整する「うるう秒」を実施した(写真1、2)。この日に限り、9時0分0秒の手前に「8時59分60秒」が挿入され、9時ちょうどになるのが1秒遅れた。
うるう秒実施は2012年7月1日以来で3年ぶり。日本では平日の実施は1997年7月1日以来18年ぶりだった。
NICT広報部によれば、東京都小金井市にあるNICT本部のデジタル時計の前には午前7時前からうるう秒をひと目見ようとする人が集まり始めた。その後、雨模様の中で約1000人が「8時59分60秒」を見守った(写真3)。休日で晴天だった3年前のうるう秒の時に集まった約1500人に比べれば、人出は少なめだったという。
東京証券取引所はこの日も通常通り9時0分0秒に取引を開始し、午後3時に終了した。「うるう秒については事前に入念にリハーサルしており、関連システムは想定通りに動作した。東証と接続先の証券会社を含めた市場全体で、特にトラブルは起きていない」(IT開発部)という。
関連記事:18年ぶり平日実施の「うるう秒」、8時59分60秒がITに及ぼす影響