中国Xiaomi(小米科技)がブラジルでスマートフォンの販売を開始すると、英Reuters米Wall Street Journalなどが、現地時間2015年6月30日に伝えた。7月7日からエントリーモデル「Redmi(紅米)2」の注文をオンラインで受け付けるという。

 同社がアジア以外の国でスマートフォンを販売するのは初めて。グローバル部門バイスプレジデントのHugo Barra氏は「ブラジルは、我々のラテンアメリカ進出における第1段階」と述べており、今後メキシコやコロンビアなどの中南米諸国にも進出する意向があることを示唆した。

 Xiaomiは、中国やほかのアジアの国と同様に、ブラジルでも低価格戦略でスマートフォンを販売する。Redmi 2のブラジルにおける販売価格は499レアル(160ドル)。これに対し、米AppleのSIMフリー版iPhone 6 16GBモデルのブラジルにおける価格は1130ドル相当で、米国価格の650ドルと大きな差がある。ブラジルでは、エネルギーや物流コスト、賃金が高く、スマートフォンも割高。一方で平均世帯所得が低いため多くの人にとってハイエンド機は手の届かない存在だと、Reutersは伝えている。

 Xiaomiがブラジルで販売するスマートフォンは、台湾Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)が現地工場で組み立てる。ブラジルでは、エレクトロニクス製品にかかる関税が高い一方、国内生産や、部品・材料の国内調達を行うメーカーには減税措置があるためだという。

 ReutersやWall Street Journalよると、ブラジルではフィーチャーフォンからスマートフォンへの買い替えが進んでおり、市場は転換期を迎えている。昨年の同国におけるスマートフォンの販売台数は前年比55%増の5450万台だった。これが今年は6380万台になると見られている。