企業のデジタルマーケティングを支援するメンバーズは、2015年6月30日に434人の全社員がGoogleアナリティクス個人資格(GAIQ)を取得したことを発表した。アクセス解析に携わるマーケティング部門をはじめ、営業やデザイン、間接部門などの担当者も資格を取得。剣持忠社長をはじめ役員も含まれる。全社員が分析スキルを身に付け、データに基づく意思決定や改善を根付かせる。

 GAIQはGoogleアナリティクスの習熟度を認定する資格。トランス・コスモスが2015年2月にGAIQ取得者が222人に達したことを発表するなど、デジタルマーケティング業界では注目されている。オンラインで無償で受験でき、「プランニングと仕組み」「導入とデータ収集」「設定と管理」「コンバージョンとアトリビューション」「レポート、指標、ディメンション」などの項目に関する問題が出題される。

 メンバーズでは2013年10月から取得が始まったが、当時は英語による出題だったため、取得者が限られていた。2014年10月に日本語化されたのをきっかけに「GAIQプロジェクト」を立ち上げ、全社員の取得を目指していた。

 GAIQの最初の取得者であり、プロジェクトをけん引した第3ビジネスユニットの中野学氏は、「データに基づいて意思決定や改善を行う風土醸成を目指した」とプロジェクトの目的を語る。例えばデザイナーがGoogleアナリティクスを扱えるようになることで、ウェブサイトのデザイン変更による成果を把握したり、顧客企業へのレポート作成の担当者が、効果的な指標を盛り込んだりする効果を期待している。

 同社では以前から、マーケッターを中心にアクセス解析に関する資格取得を推奨してきた。しかし、資格を取得しても実務で知識やスキルを生かし切れないといった問題があった。Googleアナリティクスは中堅企業などで導入が広がっており、実務に生かす機会が多いと判断した。

 1995年創業の同社は今年創業20周年を迎える。「初心に立ち返って全社員で1つのことに取り組む意義もあった」(中野氏)。間接部門など、アクセス解析の経験が全く無い社員もGAIQを取得できるよう、スキルの高い社員が毎月勉強会を開いて支援した。