写真●電子出版史上は拡大が続く(出所:インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2015』)
写真●電子出版史上は拡大が続く(出所:インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2015』)
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 インプレスグループのインプレス総合研究所は2015年6月29日、2014年度の電子書籍市場は前年度比35.3%増の1266億円になったと発表した。主役は漫画で、テレビCMや無料配信キャンペーンなどにより単行本をまとめ買いする利用者が市場拡大をけん引した。今後も拡大が続き、18年度には2640億円になると見通す。ただこれは昨年発表した予測値よりも微減。スマートフォンの国内普及にブレーキがかかるとの見方があり、これを勘案した。

 14年度の電子書籍と電子雑誌を合わせた「電子出版」市場は、前年度比で4割増の1411億円だった(写真)。電子雑誌は145億円で、前年度比89%増と大きく伸びた。配信する雑誌数が増えたほか、大手漫画誌の月額課金制サービスや携帯電話会社の月額読み放題サービスなどが、市場の拡大に寄与したという。

 インプレスによれば15年度以降も電子出版市場は右肩上がりで伸びる。19年度は14年度の2倍を超える2890億円になると予測する。

 ただし将来予測の数値は「下方修正」している。例えば17年度の電子書籍市場は、昨年6月に発表した2420億円から今回は2320億円へ、18年度は2790億円から2640億円へと、それぞれ引き下げた。