米Googleが米OracleのJava関連の著作権を侵害したとされる訴訟で、米連邦最高裁判所が現地時間2015年6月29日にGoogleの上告を却下したと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal米Computerworld米Reutersなど)が報じた。

 最高裁が米連邦巡回控訴裁判所の判断を覆すことを拒否したことにより、OracleはGoogleに一部Java言語の使用料を要求できる。Googleは、ライセンス料を払わなくてもJavaを使用できるはずだと主張していた。

 この係争は、OracleがGoogleのモバイルプラットフォーム「Android」にJavaの知的所有権を侵害されたとして2010年に起こしたもので、米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所は2012年に、Oracleが問題とするJava APIは著作権法の対象ではないとの判断を下した。Oracleがこれを不服として上訴すると、控訴裁は2014年、問題のJava APIは著作権法による保護の下にあると見なし、地裁の判決を覆した(関連記事:「Java APIは著作権の対象」と控訴裁が判断、Oracle対Google訴訟で)。

 APIに著作権を主張できるかという点で、この係争は技術業界で高い注目を集めている。しかし、たとえAPIが著作権保護の対象だとしても、Googleはフェアユース規定が適用されると主張している。Oracleは10億ドル以上の損害賠償を求めているが、GoogleのAndroidにおけるJava使用がフェアユースの範囲かどうか、今後下級裁判所で審理されることになる。