図●White-eYeの概要(2013年の発表当時のソフトウエア構成図。今後はこれにAmazon MLが加わる)
図●White-eYeの概要(2013年の発表当時のソフトウエア構成図。今後はこれにAmazon MLが加わる)
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 ウルシステムズは2015年6月24日、DWH(デーアタウエアハウス)のデータ分析に必要な機能をAWS(Amazon Web Services)のクラウド上でオールインワン型で提供するサービス「White-eYe」()を強化し、新たなデータ分析手段としてAWSの機械学習サービス「Amazon Machine Learning」(Amazon ML)をサービスメニューに追加したと発表した。Amazon MLの活用方法に関するコンサルティングとPoC(概念実証)、導入支援サービスを提供する。DWHデータを機械学習で簡単に分析できるようにするのが狙い。

 White-eYeは、同社が2013年から提供しているDWHプラットフォームである(関連記事:ウルシステムズ、AWS上のDWHプラットフォームを提供開始)。AWSのDWHサービス「Amazon Redshift」を中心に、ETL(抽出/変換/登録)ツール「Talend」と現場向けBI(ビジネスインテリジェンス)ツール「Tableau」を組み合わせ、運用管理ソフトや各種サポートサービスと合わせて提供する。TalendとTableauは、いずれもAmazon EC2のインスタンス上に導入して利用する。

 White-eYeではこれまで、機械学習を用いてDWHデータを自動で分析したいユーザーに向けて、統計解析言語「R」の開発実行環境や各種サポートをサービスメニューとして提供してきた。しかし、R言語を使いこなすにはプログラミングのスキルや統計解析の知識が必要だった。今回、これらのスキルがなくても使えるAmazon MLを、サービスメニューに取り込んだ形である。より簡単に機械学習を利用できるようになるという。

 Amazon MLの特徴は、統計解析や機械学習の高度な知識がなくても使いこなせること。管理画面のガイダンスにしたがって操作すれば、プログラムや数式を記述することなく、回帰分析による将来値の予測や、多値分類を使ったグループ分けなどができるという。ウルシステムズでは、クレジットカードの不正利用の検知や、ネットワーク機器の故障予知、EC(電子商取引)におけるリコメンデーションエンジンなどへの活用を想定している。