富士通は2015年6月23日(米国時間)、シリコンバレーのスタートアップとの協業施設「Open Innovation Gateway(OIG)」を開設した。米カリフォルニア州サニーベール市にある同社オフィスに、会議室やコワーキングスペースなどからなるスペースを設けた。

 OIGは、短いサイクルでの事業化とその検証を繰り返す「リーンスタートアップ」を実践するシリコンバレー企業と協業することを通じて、富士通や同社の顧客のイノベーションを加速することを目的とした施設となる。同社グローバルマーケティング部門長の阪井洋之執行役員常務は、「OIGを通じて富士通自身を変えていく」と意気込みを語る(写真1)。

写真1●富士通グローバルマーケティング部門長の阪井洋之執行役員常務
写真1●富士通グローバルマーケティング部門長の阪井洋之執行役員常務
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 富士通は2014年12月に、3Dプリンターやレーザーカッターなどを備えた会員制工房を展開する米TechShopと提携。2015年から米国の学校に、移動型の工房「TechShop Inside!」を派遣するという取り組みを行っている(写真2)。TechShop Inside!は3Dプリンターなどを備えたトレーラーであり、中で工作教室を開催できる。OIGはTechShopのような提携先と協業する場であり、富士通アメリカCEOのBob Pryor氏は「顧客ではなくパートナーを増やす場」だと説明した。

写真2●富士通が米TechShopと提携して米国の学校に派遣している移動式工房「Tech Shop Inside!」
写真2●富士通が米TechShopと提携して米国の学校に派遣している移動式工房「Tech Shop Inside!」
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