カナダBlackBerryは、2016会計年度第1四半期(2015年3〜5月)の決算(すべて米ドル)を現地時間2015年6月23日に発表した。売上高は6億5800万ドルで、前年同期(2014年3〜5月)の9億6600万ドルから32%減少した。

 米会計原則(GAAP)ベースの純利益は6800万ドル(1株当たり利益は0.13ドル)で、前年同期の2300万ドル(1株当たり利益は0.04ドル)から3倍近くに増加した。これには、社債評価額の変更に伴う非現金性収入やリストラ関連費用が含まれる。

 特別項目を除いた場合の純損益は、2800万ドルの赤字(1株当たり損失は0.05ドル)となる。前年同期は6000万ドルの純損失(1株当たり損失は0.11ドル)を計上した。

 赤字は前年同期から縮小したものの、アナリスト予測の0.03ドルまで改善できなかった。また、売上高もアナリストが予測した6億8300万ドルを下回った(米Wall Street Journalの情報)。

 売上高の内訳は、ハードウエアが約40%、サービスが約38%、ソフトウエアおよび技術ライセンスが約21%だった。ハードウエア事業の売上高に寄与したスマートフォンは約110万台で、前年同期の約160万台、前期の約130万台から減少した。

 技術ライセンスを含むソフトウエア事業の売上高は前年同期比150%増加の1億3700万ドルとなり、同社は法人向けソフトウエアに主軸を移す戦略が進んでいることを強調した。

 しかし米New York Timesの報道によると、BlackBerryのJohn Chen会長兼最高経営責任者(CEO)は成長の大部分を米Cisco Systemsとの特許ライセンス契約が占めていると述べており、技術ライセンス収入を除いたソフトウエア事業は前年同期からわずかしか伸びていないと指摘する声もある。同社の戦略の進捗状況が不透明であることから、BlackBerryの株価は時間外取引で4%以上下落した。

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