米Googleは現地時間2015年6月23日、同社の音楽配信サービス「Google Play Music」に、広告付きの無料サービスを追加したと発表した。まずは米国でサービスを開始する。すでにWeb版で利用できるようにしており、1週間以内にAndroid版、iOS版のアプリでも提供するとしている。

 Google Play Musicは、最大3000万曲の楽曲が聴き放題になる月額9.99ドルのサービス。ユーザーは好みの楽曲を検索して再生したり、プレイリストを作成したり、自分が所有するパソコン内の楽曲を最大5万曲保管できるストレージロッカーを利用したりできる。

 一方、米Wall Street Journalによると、無料版は特定の楽曲を選んで再生することはできない。その代わり専門家が選んだ楽曲を配信する様々なラジオステーションを用意しており、ユーザーは好みのジャンルや時代、その時の気分、活動に合わせて選択できる。GoogleのプロダクトマネジャーElias Roman氏によると、検索したアーティスト/アルバム/楽曲の情報を基に、似たような楽曲を配信するラジオステーションを作ることも可能だという。

 米CNETなどの報道によると、このElias Roman氏は、Googleが昨年7月に買収した米Songzaの共同創業者。Songzaは無料音楽配信サービスの企業で、Googleの無料サービスと同様、アクティビティ、時代、雰囲気などの条件によって楽曲を探すことができる「コンシェルジュ」機能を提供していた(関連記事:Google、コンテキストベースの音楽配信サービスSongzaを買収)。

 Roman氏はブログで、ユーザーには無料サービスをきっかけに有料サービスを検討してもらいたいと述べている。広告なしの音楽配信に加え、オフライン再生、プレイリスト作成、所有楽曲のクラウド再生などが行える有料版を楽しんでほしいとしている。

 なおCNETによると、無料版では当初「プレロール型広告」が配信される見通し。楽曲再生前に一度だけ広告が流れるが、それ以降は広告が入らないという。またYouTube広告にあるような、数秒後にユーザーがスキップできるTrueView広告も導入される見通しだという。