写真●PalmSecure-SLの外観(左から、マウスタイプセンサー、スタンダードセンサー、ポータブルセンサー)
写真●PalmSecure-SLの外観(左から、マウスタイプセンサー、スタンダードセンサー、ポータブルセンサー)
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 富士通と富士通フロンテックの2社は2015年6月17日、手をかざすだけで使える非接触型の手のひら静脈認証装置「PalmSecure-SL」の新ラインアップとして、モバイル端末のUSBポートに直結して使えるモデル「ポータブルセンサー」(写真)を発表した。9月下旬に販売/出荷する。同一のセンサーを搭載する既存の2モデルよりも持ち運びやすくした。わずらわしいUSBケーブルが要らなくなったことで、タブレット端末を利用した現場作業などが容易になった。

 PalmSecure-SLは、生体認証の一種で、手のひらにある静脈の紋様を光学センサーで認識させることによってユーザー認証の手段とする装置である。光を手のひらに照射し、この反射光を光学レンズで撮影することで、静脈のパターンのイメージ画像を得る仕組み。パソコンへのログイン認証に特化しており、前提として富士通が販売するログイン認証製品が必須となる。

 既存モデルは、2012年8月に販売を開始した(関連記事:富士通、手のひら静脈認証デバイスの体積を1/4に小型化)。マウスにセンサーを内蔵した「マウスタイプセンサー」(1万9500円、税別、以下同)と、USBケーブルでつないで使う独立型の「スタンダードセンサー」(1万7500円)の2モデルを提供している。

 今回、独立型のセンサーのラインアップを拡充し、本体にUSB接続コネクターを内蔵してUSBケーブルを不要としたポータブルセンサー(1万7500円)を追加した。大きさは、USBケーブル接続型のスタンダードセンサーが幅48×奥行48×高さ16.4mmであるのに対して、USB直結型は幅62×奥行33×高さ15.5mmと、USBコネクター部分を除けば一回り小型化した。

 3モデルはいずれも、2011年4月に発表したセンサー(幅29.0×奥行29.0×高さ11.2mm)を採用している。これに対して、富士通グループでは、主にノートPCやタブレットに内蔵させることを想定した薄型のセンサーも2013年4月に発表している(関連記事:富士通、薄さ6ミリでノートPCに内蔵できる手のひら静脈認証センサーを発表)。

 手のひら静脈は、指静脈などと比べて情報量が多く、認識率が高い。高機能版のセンサー「PalmSecureセンサーV2」を用いた富士通グループ内での認証実験の結果では、本人を誤って拒否する確率が0.01%(リトライは1回まで)のときに、間違って他人を受け入れてしまう確率は0.00008%だったという。