図●東京メトロが導入・刷新したUC基盤の構成(出典:日立システムズ)
図●東京メトロが導入・刷新したUC基盤の構成(出典:日立システムズ)
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 日立システムズは2015年6月12日、東京地下鉄(以下、東京メトロ)がUC(ユニファイドコミュニケーション)基盤を刷新したと発表した。2007年に導入したUC基盤ソフト「Office Communications Server 2007」を、2014年10月に「Skype for Business」(導入当時の名称は「Microsoft Lync」)にバージョンアップした()。UC基盤の整備により、簡単な連絡には電話やメールの代わりにインスタントメッセージを利用するようになったという。

 東京メトロがUC基盤の構築に注力した背景には、異なる拠点間でも円滑にコミュニケーションを図りたいという需要があった。同社は駅や整備基地など300以上の拠点を持っており、各拠点では事務職から技術職までワークスタイルが異なる従業員約8700人が働いている。こうした中、伝達する内容や緊急度に応じて、電話やメールだけでない複数の手段でコミュニケーションができる環境が求められていた。

 Skype for Businessが備えるプレゼンス機能(「連絡可能」や「退席中」など、個人の在籍状況を表示する機能)やインスタントメッセージ機能を有効に利用している。例えば、連絡をとりたい相手の在席状況を確認してから連絡できるようになった。連絡手段も増え、電話連絡や席への訪問のほか、簡単な確認事項や伝言はインスタントメッセージが使えるようになった。これらにより、電話の掛け直しや伝達漏れ、行き違いといったコミュニケーションロスが減った。

 導入を担当したSIベンダーは日立システムズ。同社は2013年9月からUC構築のSIサービスを「NETFORWARDユニファイドコミュニケーションサービス」と銘打って提供している。今回日立システムズは東京メトロへのシステム導入を手がけたほか、全従業員分に当たる8700人分のSkype for Businessのライセンスを販売している。東京メトロでは今後、Skype for Businessを同社のグループ企業にも導入する計画という。