国内最大級のネットワーク関連展示会「Interop Tokyo 2015」が2015年6月10~12日、千葉県の幕張メッセで開催された。最大の注目は、2~3年後の普及が見込まれる技術に先駆けて取り組み、展示会の中核ネットワークとして実稼働させる恒例の「ShowNet(ショーネット)」だ(写真1)。今年のShowNetは、DDoS(分散サービス妨害)攻撃対策などセキュリティ関連のデモが目立った。

写真1●ShowNetのブースにはスイッチやルーター、セキュリティアプライアンスなどを設置したサーバーラックが16本並ぶ
写真1●ShowNetのブースにはスイッチやルーター、セキュリティアプライアンスなどを設置したサーバーラックが16本並ぶ
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 ShowNetとは、スポンサー企業にコントリビューター(貢献者)として無償で機器を提供してもらい、最新の機器や技術を使って会場に構築するライブネットワーク(稼動するネットワーク)の総称である。

 スポンサー企業には、シスコシステムズやジュニパーネットワークス、アラクサラネットワークス、NTTコミュニケーションズ、東洋テクニカ、華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)などが名を連ねた。

 構築したネットワークは、実際に出展社のブースで使われたり、来場者のWi-Fiサービスとして利用されたりする。「ShowNetは実験のネットワークではなく、実際にクリティカルな環境で稼働しているのが特徴」(ShowNet説明員)という。

 ShowNetが注目を浴びる理由は、様々なベンダーの最新の機器が相互接続し稼働しているところを間近で見られるためだ。ShowNetで実施した相互接続の結果は、機器を提供したベンダーにフィードバックされ、今後の製品開発に生かされるなどしている。

 Interopは毎年世界中の都市で開催するが、「ShowNetを開催するのは現在は東京だけ」(同)である。ShowNetは、ベンダーや大学から派遣されたメンバーや、ネットワークに詳しいボランティアなどで運営される。

 今年のデモは、(1)BGP Flowspecの実証実験とセキュリティチームと連携したDDoS攻撃を軽減する取り組み、(2)インターネットエクスチェンジ(IX)におけるDoS/DDoS攻撃ミチゲーション機能の提供、(3)DDoS攻撃対策の多忙防御として、インターネットサービスプロバイダ(ISP)やIXとの連携と境界での対策――といった、DDoS攻撃対策のデモが目立った。

写真2●ShowNetのトポロジー図。周りには見どころが書かれている
写真2●ShowNetのトポロジー図。周りには見どころが書かれている
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写真3●DDoS対策としてISPやIXと連携するデモや、ファイアウオールとサンドボックスによる多層防御のデモなど、セキュリティ関連のデモが目立った
写真3●DDoS対策としてISPやIXと連携するデモや、ファイアウオールとサンドボックスによる多層防御のデモなど、セキュリティ関連のデモが目立った
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写真4●定期的に実施される解説付きのツアー。多くの人でにぎわった
写真4●定期的に実施される解説付きのツアー。多くの人でにぎわった
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写真5●Interopは例年、外部からのサイバー攻撃を観測している。写真は、NTTコミュニケーションズの監視システム「SAMURAI」を使って、展示会場がDDoS攻撃を受けているのを検知している様子
写真5●Interopは例年、外部からのサイバー攻撃を観測している。写真は、NTTコミュニケーションズの監視システム「SAMURAI」を使って、展示会場がDDoS攻撃を受けているのを検知している様子
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