サイバーエージェント傘下のマイクロアドは2015年6月12日、日本企業が海外のECサイトで商品を販売する「越境EC」の支援サービスを始める。現地で仮想商店街を運営する企業などと、出品する日本企業とを、同社が仲介する。まず台湾向けのサービスを始め、他のアジア地域にも広げる。訪日外国人の増加で日本の商品への関心が高まっていることを受け、日本企業の海外向け販売を後押しする。

 新たに始めるのは、越境ECに関する事務手続きや販促を一括して受託するサービスだ。関税手続きやECサイトの構築、ネット広告などを使った現地での宣伝、決済代行、コールセンターの運営を担う。必要に応じて、これらのサービスを手がける現地企業と協業する。

 マイクロアドの特徴は、本業であるネット広告事業の技術を使った販促やプロモーションの支援だ。同社は2008年に台湾へ進出し、ネット広告事業を手がけてきた。

 例えば現地でのテストマーケティングの目的で新商品キャンペーンのWebサイトを作り、同サイト上でアンケートを実施。回答を分析して興味のありそうな利用者層を把握しておき、正式なECサイト開設と同時に対象層へのネット広告を配信する。このほか、出品企業の現地法人設立や物流網の整備も支援する。

 台湾のEC市場は、2014年には前年比15%増の3兆3700億円に拡大し、ECを含まない小売業の規模を上回った。マイクロアドは台湾を皮切りに、他のアジア地域に向けた越境ECへとサービスを広げる考え。同社は既にネット広告事業で、タイ、インドネシア、フィリピン、インドなどに進出済みだ。