米Appleが今月末に開始する音楽サービス「Apple Music」について、米ニューヨーク州と米コネチカット州が独占禁止法違反の疑いで共同調査を進めているらしい。大手レコード会社がニューヨーク州司法局の要請に応じて提出した文書から分かったとして、複数の米メディア(New York TimesWall Street JournalPCWorldなど)が現地時間2015年6月9日に報じた。

 Apple Musicは、ユーザーがこれまで購入した楽曲やAppleが用意する3000万曲以上の中から好きな音楽を聴けるストリーミングサービス、著名なDJが選んだ楽曲を24時間流すラジオステーション、アーティストがファンに情報発信するソーシャル機能で構成され、利用料は月額9.99ドル。6月30日に100カ国でサービスを開始する(関連記事:「Apple Music」、世界100カ国以上で6月30日に開始、月額9.99ドル)。

  米Universal Music Group(UMG)がニューヨーク州に提出した6月8日付けの文書(PDF)によると、2州は、音楽産業の関係者が共謀して英Spotifyや米YouTubeなどの広告付き無償ストリーミングサービスの競争力を阻害していないか懸念しているという。UMGは、Appleとも、米Sony Music Entertainmentや米Warner Music Groupといった競合社とも、無料音楽サービスの利用を妨害および抑制するような提携は結んでいないと回答した。

  ニューヨーク州とコネチカット州は、Appleが電子書籍の価格操作問題で提訴された際にも原告団に加わっていた。Appleは大手出版5社と協定を結んで不当に電子書籍価格をつり上げたと判断され、最終的に4億5000万ドルを支払うことで和解に合意している(関連記事:Appleの電子書籍を巡る集団訴訟、4.5億ドルの和解案に仮承認)。