写真●バイドゥ日本法人のチャールズ・ジャン社長(左)とpopInの程涛社長(右)
写真●バイドゥ日本法人のチャールズ・ジャン社長(左)とpopInの程涛社長(右)
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 中国のネット検索最大手バイドゥの日本法人は2015年6月8日、東京大学の支援を受けたベンチャー企業を買収したと発表した(写真)。買収したのはインターネット利用者のWebサイト閲覧状況を基に、利用者の興味を引きそうな広告を配信する技術を持つ企業のpopIn(ポップイン)。同社の全株式を取得した。取得金額は非公表。中国バイドゥは同社の技術を使い、日本や中国など世界への広告配信事業を強化する。

 popInは東大の産学連携支援プロジェクトの一環として、2008年7月に設立された。東大が運営するベンチャーキャピタルである東京大学エッジキャピタルやネット広告企業などが出資していた。バイドゥは各社の持つ株式を全て取得した。

 popInは利用者がWebサイトの画面を表示している時間を計測し、利用者のコンテンツに対する満足度を評価する独自技術を持つ。記事コンテンツを熟読したのか流し見したのかといった違いから、利用者が記事コンテンツに興味を持っているかどうかを推測する。その結果を基に、利用者が興味を持ちそうな広告を配信する。

 popInは同技術を使い、「ネイティブ広告」と呼ぶ広告を重点的に配信する。ネイティブ広告はニュース記事などに外見が似た広告の総称で、サイトのコンテンツと一体的に表示したり配置したりする。パソコンに比べて画面が小さいスマートフォンでも、効果的な広告配信が可能として注目を集めている。