写真●米ギットハブのクリス・ワンストラスCEO(左)と、ギットハブ・ジャパン合同会社の堀江大輔ジェネラルマネージャー
写真●米ギットハブのクリス・ワンストラスCEO(左)と、ギットハブ・ジャパン合同会社の堀江大輔ジェネラルマネージャー
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 米ギットハブは2015年6月4日、同社の日本法人としてギットハブ・ジャパン合同会社を設立したと発表した(写真)。国内のエンジニアや企業/団体との関係を深め、より良いサービスの提供を目指す。マクニカネットワークスと国内総代理店契約を締結し、企業ユーザー向けの日本語サポートなども開始する。

 ギットハブは、ソースコード共有サービス「GitHub」を手掛ける。同社にとって、ギットハブ・ジャパンは初の海外支社。GitHubはオープンソースのソフトウエア開発などで広く使われ、世界中の970万人の開発者によって2330万のプロジェクトが展開されている。日本のユーザーも多く、アクセス数では「日本が全体の上位10位以内に入っている」(ギットハブのクリス・ワンストラスCEO)。また、GitHubが日本発のプログラミング言語Rubyで作られたフレームワーク「Ruby on Rails」で開発されているという縁もある。

 日本法人設立を機に、企業向けに有料で提供するオンプレミス版「GitHub Enterprise」を本格展開する。GitHub Enterpriseは既にクックパッドやサイバーエージェント、日立システムズ、ヤフーなどが導入しているが、これまではサポートが英語のみだった。決済手段も海外送金などに限られており「日本企業には大きな壁になっていた」(ギットハブ・ジャパンの運営を担う、ジェネラル・マネージャーの堀江大輔氏)。そこで今回、マクニカネットワークスと代理店契約を締結。マクニカネットワークスが日本語でのサポートを提供するほか、円建てでの決済も可能にした。

 オープンソースの分野での協業も国内で進める構えだ。「今後100年間を見据えると、ソフトウエアは非常に重要な存在だ。いずれは、全ての企業がソフトウエア企業になる。そして全てのソフトウエア企業は、オープンソースのエコシステムの一部になるだろう」(ワンストラス氏)。企業だけでなく、オープンソースコミュニティや官公庁、教育機関などとの連携も深める。

 ソフトウエア開発者以外にGitHubを広めることにも注力する。GitHubでは、ビジネス文書などソースコード以外のデータも共有できる。実際ギットハブ社内でもGitHubを活用しており、300人ほどの社員の7割が遠隔地で仕事をしているという。開発者だけでなく法務やマーケティングの担当者もGitHub上でコラボレーションしている。日本でもワークスタイル変革への関心が高まっており、「みんながよりハッピーで楽しく仕事ができるような環境を日本で実現したい」(堀江氏)とした。