韓国Samsung Electronicsは、モバイル決済サービス「Samsung Pay」を9月ごろに開始し、段階的に世界に拡大する。同社のRhee Injong執行副社長が韓国ソウルでのイベントで現地時間2015年6月3日に明らかにしたと、複数の海外メディア(英Reuters米Bloombergなど)が報じた。

 Rhee執行副社長は投資家を前に、次期ハイエンドモデルのリリースと同時期の9月ごろにSamsung Payを韓国と米国でスタートし、その後、中国と欧州に展開すると述べた。南米やオーストラリアに拡大する意向も示したが、時期については言及しなかった。なおSamsungは当初、Samsung Payを早ければ7月に開始するとしていた。

 Samsungは今年3月に最新フラッグシップモデル「Samsung Galaxy S6」「同S6 edge」を発表した際、Samsung Payの提供について明らかにした。Galaxy S6および同S6 edgeが最初のSamsung Pay搭載端末となる(関連記事:Samsung、「Galaxy S6」と曲面ディスプレイの「S6 edge」を発表)。Samsung PayはNFC技術を使用するほか、今年2月に買収した米LoopPayの「Magnetic Secure Transmission(MST)」技術をサポートする(関連記事:Samsung、モバイル決済の新興会社LoopPayを買収へ、Apple Payに対抗)。

 モバイル決済を巡っては、米Appleがすでに昨年「Apple Pay」を米国で開始し、今年3月時点で約2500の銀行が対応している。11月にカナダでサービスを始める計画とも伝えられている(関連記事:Apple、今秋カナダで「Apple Pay」開始か、WSJ報道)。また米Googleは、先月開催した開発者向け会議「Google I/O」で「Android Pay」を発表した。MasterCard、Visa、Discover、American Expressといったカードに対応し、全米の約70万店舗で利用可能だとしている(米CNETの情報)。